東京工業大学 未来産業技術研究所 大場隆之研究室
パソコンやスマートフォンに欠かせないCPUやメモリなどの半導体は、微細化により性能を向上させてきました。しかし、従来技術の延長線上ではこれ以上微細化できないという物理的な限界が迫っています。一方で社会からは、IoTやAIといった分野への期待から、単に処理性能を向上させるだけでなく、ヒトの暮らしに寄り添えるようなコンパクトなシステムの構築が求められています。このニーズに応えるためには、柔軟な発想で技術開発を進める必要があります。本ユニットが所有する三次元大規模集積技術は、微細化した半導体の垂直配線技術と超薄化技術に特徴があり、性能の向上・小型化・薄化を可能にします。この技術を使って、複数の半導体機能をひとつに積層し、限界の突破を目指します。また半導体の生産ノウハウを異なる分野にも適用し、マイクロ流路デバイスや農業工学において新規産業の創出にも取り組みます。
ユニット・リーダー 大場 隆之 (Takayuki Ohba)

大場 隆之 Profile
1984年 富士通株式会社
2004年 東京大学特任教授
2013年 東京工業大学特任教授
台湾國立交通大學(NCTU)客員教授
工学博士(東北大学1995年)





Tokyo Tech WOW Alliance
3-micronmeter Ultra-Thinnig 300mm SDRAM
2020/6/22
東工大ニュースに掲載されました [ウエハにダメージが生じないステルスダイシング加工を実現]
2020/2/10
機関紙「応用物理 第89巻 第2号(2020年)」の表紙及び誌内に3次元積層化技術が掲載されました [掲載誌]
2017/4/26
東工大ニュースに掲載されました [三次元DRAM、WOW技術で熱抵抗が1/3に削減]
2015/11/18
大場研究室・朝日工業社・タツモが共同開発した密閉型植物生態測定装置 「SRP-450」 が日経テクノロジーオンラインで紹介されました
[掲載記事] [SRP-450パンフレット]
2014/6/9
東工大ニュースに掲載されました [300mmウエハーを厚さ4マイクロメートルに超薄化]
三次元集積技術
WOWアライアンスが持つ超薄化技術、垂直配線技術で半導体の三次元集積を行い、従来よりも高性能・低消費電力である次世代半導体を実現する。またサーバーなどの大規模演算デバイスだけでなく、半導体を搭載するあらゆるデバイスシステムが1/1000となる超小型化を加速させる。
冷却技術
超小型冷却デバイスを三次元積層半導体と組み合わせることで冷却機構を簡素化させ、IoT機器やモバイルデバイスの小型化に応用する。またミリワットからキロワットを冷却する熱設計を行っている。
マイクロ流路デバイス
生体内で行われる生体反応を再現するMEMSデバイスを開発している。具体的には、精密な微細加工を得意とする半導体製造プロセスを応用し、脊髄中の毛細血管の構造や機能を模倣した血小板産生デバイスを試作する。流体力学解析を活用してマイクロ流路構造を最適化し、血小板産生の安定性と産生速度の向上を低コストで実現することを目指す。
農業協調エンジニアリング技術(農業工学)
植物の生産性を最大化させる条件を明らかにするために,それが「何を欲しているか」をモニタリングできるようにする.育成環境を制御して植物からの反応が高い再現性で引き出すために半導体製造技術をベースとした閉鎖型栽培装置と,その多様な反応を定量化するためにマルチモーダルなセンシング技術を開発する.
